不動産鑑定士

不動産鑑定士を独学で合格する勉強方法と難しさについて

不動産鑑定士を独学で合格

不動産鑑定士の資格を取得するための難易度は日本でも最難関に部類がされ、出題される範囲が異常に広いことから独学で試験に合格することができるのか、独学でやる場合の勉強方法について今回は解説をします。
不動産鑑定士は三大国家試験の一つであり、独学で合格をしたという人はほとんどいませんが、絶対にいないというわけではありません。今回は不動産鑑定士の独学について解説をします。

不動産鑑定士を独学で合格することについて

不動産鑑定士の合格率ですが、最初の短答式試験から論文式試験実務修習までの試験を合格した人のみが取得できる資格となり合格率としては5%ほどと言われています。
関連記事:不動産鑑定士の合格率の推移
そのため独学で合格ができるという人は、独学で難しい試験に合格した経験があったり、地頭の良さや何か突出した方でないと独学で合格をするというのは非常に難しいというのが結論になります。

独学が難しいと言われる理由

  • 膨大な勉強時間
  • 論文式試験の問題
  • 理解をする必要がある

膨大な勉強時間

独学が難しいと言われる理由の一つとして、不動産鑑定士の資格を合格するために必要な時間は最低でも2000時間は必要と言われています。
多い人の場合はその倍となる4000時間、もっと必要となるケースがありこの時間を勉強し続けるというのは一人だけだとモチベーションを維持し続けるのは至難の業になります。
勉強期間としても毎日1日2時間勉強をすれば3年間ほどで2000時間の勉強時間を確保できるといえばイメージがしやすいかもしれません。

論文式試験の問題

論文式試験の場合、マークシート式とは異なり正確な正解を自分で判断するのが難しい場面が多くあり、論文の内容の正しいかどうかは客観的に見てくれないと判断が難しいというのが独学ですることが難しいと言われる理由となります。
そのため、論文式試験の対策のために予備校に通うという人がほとんどです。
そのため論文式の試験を除外して短答式の試験だけに焦点を当てれば独学でも不可能ではありません。短答式試験の合格率も30%前後と不動産鑑定士の試験の中では高い傾向にあります。

独学で短答式試験は合格できる

短答式試験は前述したとおり、独学でも合格が可能な試験で5択式1式のマークシート方式となり、過去問を何回も何回も繰り返していけば、比較的に合格をすることは可能です。
難易度としてもこの短答式試験は宅建の難易度と同等か少し難しい程度の難易度です。
そのため短答式試験だけの勉強時間なら独学で半年前後で充分に合格することができる傾向にあります。

理解をする必要がある

試験勉強といえば、丸暗記するだけと思っている方もいるかもしれませんが、不動産鑑定士の場合、理解をしないと試験に合格することはできません。
問題の意味を理解し解答をするために、すでに理解をしている予備校に通うことで理解がしやすくなるという傾向にあります。

独学で合格した事例

独学ではほとんど不可能といいますが、独学で試験に受かった人の事例について紹介しますので
どうしても独学で資格を取りたいという人はこちらの人を参考にしてみください。

タイトルを「合格体験記」としないのは、幾多の合格体験記が受験校のパンフレットや雑誌「不動産鑑定」に掲載され、多くの合格者がその受験ノウハウや受験勉強時の決意のようなものを晴れやかに語っているのを目にするにつけ、確たる秘訣も、手応えもなく、何となく合格した私自身の受験体験は、このように学習すれば合格できるという見本といえるものではないからだ。筆者の独学の記を読んで、この程度の人でも受験専門校に行かずに合格できるんだと自信を持ってもらえば恥を承知で書いた目的を達する。
筆者がこの試験で持った印象は、論旨の一貫した文章が書ければ、合格要件を50%備えると言うことだ。実務に必要な知識があっても鑑定評価書で正確に論証できない人は、この仕事の適格要件を充たさない。試験官はこの辺を考慮すると思う。文章表現力は、ある程度先天的な部分もあるが、日頃の心がけで訓練できる。作家になるわけでない、要は如何に簡潔・正確に文章で相手に伝えることができるかである。メールを書くとき、用談するとき常にこれを念頭におけば相当変わる。自分を客観視できる人はこの能力を向上できる。
11月中旬頃から勉強開始、翌年7月受験まで約8ヶ月独習した。基本書を選定し、受験までの学習プランを立てた。6ヶ月を基本書の読破と問題演習にあて、残り2ヶ月で反復総整理とした。各基本書のページ数と6ヶ月の可能学習時間を割り出し、1日当読破ページ数を課した。読解の仕方は章、節、款、目の階層構造(EXCELをパソコンで使う場合はDドライブ⇒鑑定フォルダー⇒独学ブック⇒合格シートとなる)を常に確認しながら読む。読後、本から視線を外し、読んだ内容を自分の言葉で脳内に再構築する作業をする。これで理解程度の確認と暗記を効率よくできる。過去問で試験のレベルを計り選定基本書で大丈夫と言う確信が出来た。
仕事を持っていたので6月、7月頃は深夜の3時頃まで連夜の勉強をした。この頃は体力勝負だった。
鑑定理論は、経験がないと抽象的で解り難い。戸建の家を自分が買うと想定して、不動産業者を冷やかし、物件を案内してもらい、当該物件の価格の妥当性を、業者に説明してもらう経験をしておくとかなり具体的に解るようになる(合格したらお菓子を持って御礼に行くこと)。
試験後、模範解答を読むこともせず、漠然と合格の可能性は40%位かな…と思ってた。合格通知がきたときは嬉しい反面、あっけなく合格したものの仕事に対する自信が持てなく、この仕事が自分に出来るだろうかと正直悩んだ。

不動産鑑定士2次試験独学の記

このように独学をするにしても、勉強をするにしても相当な情熱を持って試験に挑む必要がある文章となっています。
ここまで勉強しても試験で手応えがもちきれないほどに難しい試験ということがわかります。

独学で失敗した人の事例

独学で失敗した人の事例として

私は、専門学校を利用して3年かけて合格しました。
基本的に私は独学で資格試験を攻略してきましたが、これほどの難関資格は、論文問題の対策もあり、さすがに独学は無理でした。

今が狙い目!不動産鑑定士の超効率的な勉強法

独学は、短答式試験までは合格できるけど論文式試験の問題で躓く人がほとんどという傾向にあります。

独学では無理という声

不動産鑑定士の資格は独学で挑戦をして、独学でやるのは無理だという声が非常に多い試験科目です。

独学では厳しいということから、予備校に通うという人も多いのが特徴です。

不動産鑑定士は、理解をするのも難しい内容が多くありハードルが非常に高いということが分かる声です。

独学も厳しいけれどスクールも厳しい場合は、不動産鑑定士の方に直接教わるといった手段とかも考えることができるかもしれませんね。

独学の勉強方法

不動産鑑定士の資格を独学で勉強する方法としていくつか紹介をさせていただきます。

過去問を解く

過去問を解くことで試験の傾向や出題形式をしることができるので過去問を解くということは必須の勉強になります。何度も反復して勉強をするようにしましょう。
注意点として、問題文の意味や答えを理解していないと意味がないので、最初は理解をするための下地作りをするようにしていきましょう。

過過去の試験問題は国土交通省のサイトから確認をすることができます。

短答式の勉強方法

  • 行政法規の独学勉強方法
  • 鑑定理論の独学勉強方法

行政法規の独学勉強方法

行政法規は、範囲の広い法律の範囲から出題がされるため
全ての法律を丸暗記するというのは非常に難しいです。
そのため重要な法律に焦点をあてて勉強をしましょう。
過去問をときながら、わからなかった問題を確認して理解し、また過去問をとくといった流れで勉強をするといいでしょう
詳しい行政法規の暗記と勉強方法については別記事で紹介をします。

おすすめの参考書

不動産鑑定士 不動産に関する行政法規 過去問題集
改訂版 行政書士のためのマーケティングギア

鑑定理論の独学勉強方法

鑑定理論は、短答式だけでなく論文式や演習にも含まれる科目なので重点的に学ぶべき科目になります。
一言で独学で勉強をする場合、短答だけなら丸暗記で済むかもしれませんが、論文にも出る範囲となるので理解をする必要があります。適合性の原則などた鑑定評価理論の特徴的な考え方を理解しながら勉強をするといいでしょう。

そのため鑑定理論のテキストなどを購入して内容の理解をしていきましょう。

関連記事:鑑定理論の暗記と答案構成のコツ

おすすめの参考書

要説不動産鑑定評価基準と価格等調査ガイドライン

平成26年11月施行、多様化する鑑定評価ニーズを踏まえた改正に対応!!「不動産鑑定評価基準」と「価格等調査ガイドライン」の最新解説書。

まとめ

今回は独学で不動産鑑定士の資格を取得することの難しさについて解説をさせていただきました。
独学で取得するのは不可能なことではありませんが、難易度が高すぎるということを今回の記事ではお伝えをさせていただきました。
不動産鑑定士を取得したいという方は是非予備校も検討するようにしていただけると幸いです。

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